sorosoroikukara (Japanese Edition) [Kindle-editie]

「なあ、傾《ケイ》、教えて……」 そう言う三葉の声は、曇りガラスのようにかすれながらも透き通っていて、ぼんやりとしたぬくみを帯びていました。その声を耳にするたびに、オレのなかにも、決してひとを傷つけることのないあたたかなだけの炎がともるようでした。ひょい、と顔を出して、傾、とオレの名前を呼びかけた三葉の頭を引き寄せると、その目じりに唇を押し当てたこともあります。(細面の白皙眼鏡に似つかわしくない粗雑さで、三葉は手にしていたノートを、オレの脳天に直撃させました。)《本文より》

De auteur:ROKUE HIROAKI
Isbn 10:B00LA6OWPW
Uitgeverij:6e; 2 editie
Paperback boek:7
serie:Kindle-editie
gewicht sorosoroikukara (Japanese Edition) [Kindle-editie]:149 KB
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