rokumeinosubete (Japanese Edition) [Kindle-editie]

《鹿鳴(ろくめい)は身体の中にいくつもの汀を持つ青年であった。ほんらいならば水平線が立つべきところにあたらしい汀が出来ては重畳(かさ)なり、波は何処かから不図(ふと)あらわれるばかりで、帰るべき大いなる源をついに持つことはなかった。彼の身体のなかに入って釣りをすると、浅い処をこのむ魚ばかりが魚籠の中にたまった。鷺がやってきては白い羽を落としてまた飛び立ってゆく。どこまで歩いていっても、はだしの足の甲の肌色が水の表面に映るような、そんな青年であった。》(本文より)

De auteur:ROKUE HIROAKI
Isbn 10:B00TUXI8DO
Uitgeverij:6e; 2 editie
Paperback boek:24
serie:Kindle-editie
gewicht rokumeinosubete (Japanese Edition) [Kindle-editie]:171 KB
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