いよいよ日本にも、アマゾンの電子書籍端末「キンドル(Kindle)」が上陸した。それは個人にとって、多くの電子書籍が「読める」ようになっただけでなく、自らも電子書籍を「書ける」そして「売れる」時代が到来したことを意味する。個人でもアマゾンを通じてキンドル本を出版することができるサービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング(Kindle Direct Publishing、KDP)を利用することで、誰でも自分の作品をアマゾンで販売できるようになるのだ。 しかし電子書籍は、紙の本のように書店で手に取ってもらうことができないため、その存在に気づいてもらうことが非常に難しい。今後KDPが定着し、多くの人々が電子書籍出版に取り組むようになれば、「電子書籍の洪水」が起きてなおさら興味を引くことが難しくなるだろう。 筆者は2012年11月中旬に『3Dプリンタの社会的影響を考える』というキンドル本を出版し、発売後10日間で400ダウンロードを達成することができた。数千部単位で発行することが普通である紙の本と比較すれば、この数は決して多いとは言えないが、それでもキンドル出荷開始間もない時期としては悪くない成果だと感じている。 本書では、この『3Dプリンタの社会的影響を考える』の出版を行った際に気づいたことや、反省点だと感じたことを整理してみた。あくまでも個人的な体験がベースだが、皆さんがキンドル本に取り組む際の参考になれば幸いである。※なお本書では、「ePubファイルの作り方」といったハウツー的な内容は含めていない。こうした情報をご希望の方は、恐縮だが他の関連本をご参照頂きたい。≪ 目次 ≫- はじめに- 『3Dプリンタの社会的影響を考える』の舞台裏 1.ネタを選ぶ 2.書く 3.アップロードする 4.プレビューする 5.公開を待つ 6.結果はどうなった?- 7つのアドバイス 1.表紙にこだわってみる 2.「商品の説明」を大事にする 3.サンプルを意識してみる 4.ソーシャルメディアを活用してみる 5.値付けを工夫してみる 6.テーマをしぼってみる 7.ここに書かれていることをすべて無視してみる- おわりに- 注- 著者について≪ 分量 ≫日本語 約1万7000字+図表 (A4用紙 約18枚分)≪ 著者プロフィール ≫小林 啓倫(こばやし あきひと) 株式会社日立コンサルティング 経営コンサルタント。1973年東京都生まれ。獨協大学卒、筑波大学大学院修士課程修了。 システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業を経て、2005年から現職。著者に『災害とソーシャルメディア』(マイナビ)、訳書に『ウェブはグループで進化する』(日経BP)など多数。個人ブログ「POLAR BEAR BLOG」は2011年度のアルファブロガー・アワードを受賞している。Twitter: @akihito
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