最近、『死ぬのはガンに限る。ただし治療はせずに』『大往生したけりゃ医療とかかわるな』といった現代医療を真っ向から反対する本がベストセラーになっている。そうすれば、『平穏死』できるというのだ。80歳、90歳という老人ならば、それはわかる。しかし、まだ元気な世代にも同じように、何もするなと云うのが正しいのだろうか? いくらなんでも、その意見には納得できない。 現実問題として、貴方がまだまだ元気な60歳代で、定期検査でガンが見つかったら、目の前が真っ暗になりながらも、医師に勧められるまま、手術をして腫瘍を切り取るだろう。運悪くガンが再発や転移したらステージ4のガン患者として抗がん剤治療を受ける道を選ぶだろう。そして、最後は「平穏死」を願う。 しかし、この道のゆく末が悲惨であることを貴方は友人や肉親がガンで亡くなるまでの様子を見聞きして知っているだろう。抗がん剤は猛毒であり、この毒は蓄積する。毒で体は蝕まれ、体は悲鳴を上げる。抗がん剤治療で打つ手がなくなると患者は病院を追い出される。多くの人が、殆ど可能性のない「生」への出口を求めて、ガン難民になる。 やがて食事ができなくなるなどして再び入院治療を始める。現代医療は患者を生かすことを目的としている。病院で生かすための治療が行われる結果、腸閉塞による言語に絶する痛み、腹水で腹がパンパンに膨らむ苦しみ、肺に胸水が溜まって呼吸できない苦しみ、チューブだらけになる苦しみなどを味わう。苦しみぬいて、最期を迎える。 結局、ステージ4のガンと判ってから死を迎えるまでの貴重な時間をガンとの戦いだけに奪われてしまう。そして最後は平穏死とは程遠い死に方をする。 運悪くガンになり、手術したものの、ガンが転移してステージ4になってしまった人は、毎年40万人近くいる。その人たちがとるべき最良の治療方針は何であるか? そして、最後は平穏に死ねるようにするにはどうすればいいのか? 私はその答えを求めて、頭から『現代医療を否定する』と云う偏った立場からでなく、ガンに関する偏りのない客観的なデータを集め、可能な限り公平な答えが得られるよう調査をした。自分がステージ4の患者であり、いくつもの病院で治療をした経験も生かした。 調査の結果、いくつかショッキングな事実が浮かび上がってきた。それらを総合して、私にとっての最適な治療は何であるかを見つけた。大事なことは、上述の標準治療を活用するものの、ある時点で袂を分かつことであることが判った。最も大事なことは何時袂を分かつかであった。本書はその結論に至るプロセスをまとめたものである。 「ガンで死を宣告されつつ喜びに満ちた余命をすごし、自分の人生を納得しながら最後は平穏死できるにはどのようにしたらよいか」を、余命短いステージ4のガン患者の目を通して書き記したものである。
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