本書は、先に出版された、ルドルフ・シュタイナー著「精神科学と医学」(翻訳版:第一部)に続く第二部で、内容は「第一回医学講義」のうち、第六講(1920年3月26日)から第十講(1920年3月30日)までが収録されています。 「病とは何なのか」という根源的な問題提起から始まった本連続講義は、近代医学とともに失われた医術へのまなざし(第一講)から始まり、人間有機体に存在する、上からの力と下からの力の対極性(第二講)、すべての生物に普遍的に存在する造形力とそのメタモルフォーゼ(第三講)、人間の内部で行われる人間外の自然の克服と再生(第四講)、そして人間有機体と、鉱物界、植物界との原理的な対応関係(第五講)へと考察が進められました。 本書第二部では、主に治療薬の発見のための原理的な考察に焦点があてられます。第六講では、メタルのもつ治療作用について、太陽系の惑星、太陽、月の作用との関連から考察が行われ、第七講では、それまでの空間的な考察に、人間の一生という時間的な考察が組み合わされ、七つの代表的なメタルと人間との関連について検討が加えられます。第八講では、人間の嗅覚と味覚から出発して、嗅覚と味覚のメタモルフォーゼという観点から、人間有機体の働きの解明が行われ、第九講では、気象学的なものや地質学的なものと、人間の四つの臓器との治療的な関連が述べられます。そして第十講では、各論に移行し、まず、いくつかの代表的な薬用植物が取り上げられ、次いで、採食、肉食、生食、調理食といった食餌療法へと考察が進められていきます。 第二部を通じ、講義のテーマは、第一部の人間の生理学的-病理学的なものから、より治療的な方向へと移行していきます。それに伴い、シュタイナーの考察の対象も、人間から、植物的世界、動物的世界、鉱物的世界、そして惑星等の宇宙的な空間へと拡大していきます。宇宙的なものが人体にどのような影響を与えるのか、こうした考察は、現代人にとっては馴染みなく、違和感を覚える方も多いかも知れません。しかし、呼吸という現象を一つとっただけでも、それがどれほど、地球の自転周期(睡眠・覚醒周期)、公転周期(年齢周期)、さらには歳差運動(プラトン年/黄道周期)と密接にリンクしているかを、真摯に科学的にとらえるなら、宇宙的なものに関する考察を治療の中に取り入れることが、決して一概に「非科学的な」態度だと断言することはできなくなるだろうと思われます(この点で、近年の「時間生物学」に関する研究成果は、私たちに貴重な科学的な手掛かりを与えてくれます)。 病気というものを、私たちにとって「手の届かない」分子生物学的な観点だけでなく、私たちにとって身近な自然や宇宙とのつながりの中から理解したいと願う人にとって、本書は貴重な示唆を与えてくれるに違いありません。 訳者:本田常雄(医学博士、精神科医師)
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